概要
Tumor Necrosis Factor(腫瘍 壊死 因子)の略で、
がん細胞 を攻撃してやっつける液体。
小麦 を食べていると がん細胞 を攻撃しなくなってしまい、
攻撃先を見失った TNF-α は正常な細胞を攻撃してしまう。
これによって 自己免疫疾患 が生まれる。
植物性の油 や 乳製品 をとっていると TNF-α が増えてしまうので、
自己免疫疾患が加速する。
1. TNF-α とは
本来の機能
好中球などが分泌する液性物質で、がん細胞を破壊する作用を持つ。
マクロファージやT細胞ががん細胞を異物として認識すると TNF-α が分泌され、
がん細胞のアポトーシス(自己死)を誘導する。
慢性炎症での問題
急性かつ一過性の作用が本来の役割であり、常に TNF-α が出続けると慢性炎症を引き起こし逆効果となる。
2. なぜグルテンをとるとTNF-αががん細胞を攻撃しなくなってしまうのか
- ゾヌリンの分泌
小麦に含まれるグルテン(特にその中のグリアジン)が、腸管上皮からのゾヌリンというタンパク質を分泌させる。- リーキーガットになる
ゾヌリンの分泌により、腸の細胞間の接着(タイトジャンクション)が緩み、粘膜の透過性が上昇してリーキーガットになる。 - 未消化物が血中に入る
未分解のグルテン断片や細菌の細胞壁(LPS)、よく噛まれていない食物などが血管内に侵入して免疫を刺激してしまう。
→お米アレルギーはパンとかパスタとか食べてる上でご飯をよく噛んでないことが原因
- リーキーガットになる
- 免疫抑制細胞の増加
グルテンによって制御性T細胞(Treg細胞)という免疫抑制細胞が増加。これは自己免疫反応を抑える一方で、がん細胞への攻撃も抑制してしまう。
TNF-α ががん細胞を攻撃する作用も抑制されてしまう。 - マクロファージのM2型極性化
グルテン誘発性の炎症では、腸管マクロファージがM2型(免疫抑制型)に偏る。
M2型マクロファージがIL-10やTGF-βといった腫瘍促進因子を分泌することでTNF-αの抗腫瘍活性を妨げる。 - 炎症性サイトカインの誘導
グルテンによる炎症状態では、TNF-α はIL-10、IL-6、TGF-βなどの免疫抑制性 サイトカイン と同時に分泌され、結果としてがん細胞への攻撃は抑制される。
実はよしりんは TGF-β の研究の専門家。
TGF-β super familyというグループの中にBMP-1、BMP-2というのがあって、BMP-2が顎骨の再生にかかわるということで研究していた。
この研究のためには TNF-α 、IL-10、IL-6、IL-2βとかの研究が必要だったので、 これら炎症系サイトカインに詳しい。
3.TNF-α と 植物性の油 や 乳製品 の関係
TNF-α の原料は リノール酸 や アラキドン酸 。
リノール酸 :すべての 植物性の油 に含まれ、体内で アラキドン酸 に転換されてから TNF-α が作られる。
アラキドン酸 :直接 TNF-α の原料となる アラキドン酸 は 乳製品 に多く含まれる 。
植物性の油 や 乳製品 とると TNF-α が増えてしまう。
特に 小麦 を摂取している人だと、がん細胞を攻撃しないで自分の細胞を間違って攻撃してしまう TNF-α がたくさん増えてしまうので、がんや 自己免疫疾患 を加速させてしまう。